紹介受診重点医療機関とは |
紹介受診重点医療機関は、外来機能の明確化・連携を強化し、患者の流れの円滑化を図るために都道府県ごとに決定される医療機関です。 患者さまがまず地域の「かかりつけ医機能を担う医療機関」を受診し、必要に応じて紹介を受けて紹介受診重点医療機関を受診する、その後状態が落ち着いたら逆紹介を受けて地域に戻る、といった受診の流れを明確にするのが目的です。 紹介受診重点医療機関が地域で明確化されるのは令和5年7月頃となる見込みです。 当院はこの紹介受診重点医療機関となる意向を表明いたします。
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当院の意向表明理由について |
国は、初期治療は開業医で、高度で専門的な治療は病院でという医療機関の役割分担を進めるため、病床200床以上の病院に紹介状なしに受診された方に、診察料とは別に特別な料金を請求できる、という初診時選定療養費制度を設けております。 しかしながら、患者のいわゆる大病院志向は根強く、この制度が導入されても、一部の病院に外来患者が集中する状態が続いています。これに対し、国も、数度にわたり制度を改正し、「特定機能病院」や「地域医療支援病院」については、初診時選定療養費の金額を引き上げたり、一定の再診患者からも徴収することを義務化する等をしてきましたが、まだ、十分な政策効果が上がっておりません。 そこで、医療機関の役割分担と連携の強化を一層推し進めるため、令和4年度診療報酬改定で、「特定機能病院」や「地域医療支援病院」でない病床数200床以上の病院においても、同様の初診時及び再診時選定療養費を徴収できる「紹介受診重点医療機関」制度が新設されました。この「紹介受診重点医療機関」に指定されますと、紹介状なしで受診した初診患者に対し7,000円以上の選定療養費を、また、他院紹介後も受診を希望する再診患者に対し3,000円以上の選定療養費を徴収することになっております。 これまで、当院は、国が進めている医療機関の役割分担及び連携を進めるため、紹介状を持っていない初診の方について、2,100円(税込み)の初診時選定療養費を徴収してきました。しかしながら、患者の大病院志向もあり、紹介状なしで受診される患者も多く、勤務医の負担増になっております。現在、病院の勤務医の負担軽減が全国的な問題になっている中で、勤務医の外来負担がより一層増加することが懸念されます。 本来、勤務医は高度で専門的な治療を実施するために病院に勤務しておりますが、外来診療に係る時間が増加しますと、入院患者の診療や専門的検査、手術に充てられるべき時間が減ることになります。これでは高度専門的な治療に専念できなくなり、医師の満足度が下がることになりかねません。勤務医の満足度が下がると勤務医が当院での勤務を希望しなくなってくるので、将来的な医師確保に支障が生じ、ひいては病院機能への影響も懸念されます。 そこで、これらの問題を解決するために、令和4年度の診療報酬改定で新設された「紹介受診重点医療機関」の指定を受けるべきと判断致しました。今後は、地域の医療機関との連携を強化し、専門的かつ高度な治療に重点を置くことで、紀南地域における高度医療・救急医療・地域医療等の役割をより一層果たしていきたいと考えます。 ただ、この指定を受けますと、初診時及び再診時選定療養費の金額が変更となります。患者様には料金負担の増加や開業医等への転医を求めることになりますが、将来において効率的で質の高い医療を確保するために推進されている制度であることから、丁寧に説明しご理解を頂けるよう努めます。また、地域の皆様にも十分な情報提供をして参ります。(運用開始は令和6年初旬を予定) 今後は、地域の医療機関との連携強化を図り、患者様の治療に支障を来さぬよう取り組むとともに、病院機能を維持・発展させることで地域に貢献できるよう取り組んで参いりたいと考えていますので、皆様におかれましてはご理解いただきますようお願い申し上げます。 |