この度は、ホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。2014年4月から、当院の第6代院長を務めています糸川秀彰です。
2013年に国が、医療計画上の「5疾病」として精神疾患を位置づけ、その対策が重要視されています。また昨今の社会構造や情勢の変化もあり、精神疾患は誰もが直面しうる疾病となっており、治療や対策に関するニーズも増大し、かつ多岐にわたっています。
当院は、和歌山県南部地域で唯一の公立精神科病院であり、人口約12万人の田辺保健医療圏域を中心に、幅広い精神疾患に対して外来や入院での精神科医療を担っています。うち外来は県内の精神科医療施設で最多の通院患者数が続いており、また入院に関しても、人権への配慮や国の施策に応じて最小限の入院期間を目指しながら、必要な入院治療を施しています。
加えて当院は、精神科デイケア・作業療法・訪問看護を行っており、精神疾患からのリカバリー(回復)を目指しています。また医師の指示により必要な知能検査や発達検査、性格検査など、種々の心理検査を受けることができます。さらに、病院外の様々な福祉サービスとも円滑な連携ができるよう、地域医療福祉連携室を設けています。
また当院は、和歌山県精神科救急医療システム整備事業による精神科救急医療施設や、精神科応急入院指定病院、医療観察法指定通院医療機関、クロザリル(難治性の統合失調症に有効とされる抗精神病薬)の継続投与が可能なCPMS登録医療機関として機能しており、幅広い入院や治療も可能な医療機関として機能しています。
他方、医師に対する教育の取り組みとしては、まず、日本精神神経学会による新専門医制度の研修プログラムに参画している研修施設として認定されており、精神科専門医を目指す医師への指導を行っています。
また医師臨床研修制度による「紀南病院」と「独立行政法人国立病院機構南和歌山医療センター」の協力型臨床研修病院として、研修医への指導も行なっています。
さらに看護師や作業療法士、精神保健福祉士の実習施設としても、数多く利用されています。
急速に変化する時代のなかで、うつ病や発達障害、依存症、認知症をはじめ、住民から求められる精神科医療へのニーズはますます増加しており、またよりいっそう多様化しております。その変化に柔軟に対応しながら、下記の「当院の基本理念や基本指針」に基づき、日々研鑚に努めて参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
2023年2月1日
紀南こころの医療センター
病院長 糸川 秀彰
臨床 | 一般精神科 |
学会活動等 | 日本精神神経学会 日本臨床精神神経薬理学会 |
趣味 | 音楽鑑賞、ドライブ |
経歴 | 平成04年03月: 和歌山県立医科大学卒業 平成07年04月: 紀南総合病院新庄別館 精神神経科勤務 平成13年04月: 精神神経科医長 平成19年04月: 紀南こころの医療センター 精神神経科部長 平成23年04月: 紀南こころの医療センター 精神神経科副院長 平成26年04月: 紀南こころの医療センター 病院長 ※平成17年5月に病院名を「紀南こころの医療センター」に変更 |
基本方針
1 | 一人ひとりの患者さまの人間性を尊重し、思いやりと奉仕の精神で医療を行います。 |
2 | 地域における精神医療の中核としての自覚を持ち、常に質の高い医療を提供します。 |
3 | 保健・福祉の分野と協調しながら、精神医療に関する諸課題の解決に努めます。 |
4 | 精神保健・福祉の分野の専門職の教育研修や地域の啓発活動に努め、地域の人々の精神保健の向上に努めます。 |
当院は昭和31年5月(1956)の発足時より、逐次諸施設の充実を図りながら、入院患者様の社会復帰に多くの貢献をしてまいりました。発足時には100床であった病床も、精神科受診患者の増加と共に、精神医療の充実が必然となったことから、適時増床を行ない、昭和40年4月(1965)までに総病床数は293床となりました。
しかし、田辺市新庄町にありました旧別館は、築後20年余を経過した時点で、建物の老朽化や施設面での立ち後れなどが目立つようになりました。それと同時に、患者様の要求に職員の努力のみでは応じることが出来ないといった事態も、少なからず生じる事となりました。そこで、より良い医療を追求する為の大きな一歩として、昭和59年に紀伊水道を一望できる高台である同市内たきない町へ新築移転が図られました。現在も使用中であるこの新別館は、昭和59年3月30日(1984)に建物が完成、同年5月1日に病床数を312床とし、開院されました。
新築移転にあたり、従来から取り組んでおりました作業療法や活動療法のいっそうの充実が図られました。また、生活空間と活動空間の分離にも努め、閉鎖的環境の少ない開放的な治療環境作りを促進いたしました。
その後も、職員のいっそうの努力をもって入院患者様の社会復帰を促進すると共に、地域社会のニーズに応じるため老人性痴呆疾患センターを設置いたしました。
また、精神科救急医療施設・精神科応急入院指定病院の指定を受け、紀南地方における精神科医療の基幹病院として、地域先進医療の充実に日々努めております。
(昭31)1956/05/19 | 紀南病院の新庄別館として創設 (病床数:100床) ・男子閉鎖病棟 ・女子閉鎖病棟 |
(昭32)1957/03/20 | 男子閉鎖病棟増床12床 (病床数:112床) |
(昭33)1958/07/11 | 男子閉鎖病棟増床70床 (病床数:182床) |
(昭34)1959/08/25 | 男子閉鎖病棟増床21床 (病床数:203床) |
(昭37)1962/06/30 | 男女混合開放病棟増床50床 (病床数:253床) |
(昭40)1965/04/06 | 男女混合開放病棟増床40床 (病床数:293床) |
(昭55)1980/04/ | 陶芸棟完成 |
(昭55)1980/08/ | 活動療法棟完成 |
(昭59)1984/04/30 | 旧新庄別館廃止 (病床数:293床) |
(昭59)1984/05/01 | 現在の場所に新築移転し、新・新庄別館開設 (病床数:312床) ・男子閉鎖病棟46床 ・女子閉鎖病棟46床 ・男女混合半閉鎖病棟(2棟)各52床 ・男女混合開放病棟(2棟)各58床 |
(平06)1994/04/01 | 老人性痴呆疾患センター開設 精神科訪問看護実施 |
(平07)1995/07/01 | デイケア(小規模)開設 適時適温給食開始 |
(平08)1996/08/01 | 第3病棟を精神療養病棟(A)に変更 |
(平09)1997/01/01 | 看護基準を第2類から新看護3対1A、13対1に変更 |
(平10)1998/04/01 | 紀南医療圏の精神科救急医療施設に認定 (精神科救急医療システム整備事業) |
(平14)2002/04/01 | 精神科応急入院指定病院に認定 |
(平17)2005/05/01 | 紀南こころの医療センターに改称 |
(平17)2005/06/20 | 病院機能評価認定取得(精神科病院) |
(平19)2007/04/01 | 第5病棟(58床)を閉鎖(病床数:254床) |
(平22)2010/09/03 | 病院機能評価で精神病院種別A:バージョン6.0に認定 (公益財団法人日本医療機能評価機構) (認定有効期限;2015/06/19) |
(平22)2010/10/01 | 第6病棟(52床)を休床 |
(平24)2012/09/01 | 地域医療福祉連携室設置 |
(平25)2013/04/01 | 第6病棟(52床)を閉鎖、第3病棟(58床を54床に減床)を休床(病床数:198床) |
人口約12万人の田辺保健医療圏域は、和歌山県総面積の30%を占める1,376平方㎞の広きに渡っています。この地域唯一の公立の精神科医療施設である紀南こころの医療センターは、入院はもとより、外来診療・地域精神保健・福祉相談など様々な役割を担っております。
また、紀南地方唯一の公立病院として、民間病院では開設が難しい部門(救急患者・青年期患者・措置患者の医療)も担当しております。
当地域には障害者の入所施設や通所施設が多く設置されています。それらの施設への精神科医療上の支援も行っております。
名 称 | 紀南こころの医療センター |
所在地 | 和歌山県田辺市たきない町25番1号 |
開設年月日 | 昭和31年5月19日 |
開設者 | 公立紀南病院組合 構成市町:田辺市・白浜町・上富田町・みなべ町(1市3町) |
管理者 | 真砂 充敏(田辺市長) |
病院長 | 糸川 秀彰 |
使用許可年月日 | 昭和59年4月28日 |
法的資格 | 地方公営企業法(一部適用) |
診療科目 | 精神科・神経科 |
許可病床 | 198床 |
施設基準等届出 | 承認番号 | 受理年月日 |
【基本診療料】 | ||
精神病棟入院基本料 (15対1) (3棟144床) |
(精神入院)第479号 | 平成27/01/01 |
看護配置加算 | (看配)第472号 | 平成27/01/01 |
看護補助加算2 | (看補)第767号 | 令和4/07/01 |
診療録管理体制加算2 | (診療録2)第450号 | 平成28/04/01 |
精神科応急入院施設管理加算 | (精応)第401号 | 平成14/04/01 |
患者サポート体制充実加算 | (患サポ)第34号 | 平成24/09/01 |
精神科救急搬送患者地域連携受入加算 | (精救急受入)第2号 | 平成24/04/01 |
後発医薬品使用体制加算3 | (後発使1)第3号 | 令和4/04/01 |
【特掲診療料】 | ||
医療保護入院等診療料 | (医療保護)第5号 | 平成16/04/01 |
薬剤管理指導料 | (薬)第63号 | 平成11/11/01 |
精神科作業療法 | (精)第415号 | 平成27/10/01 |
精神科デイ・ケア(大規模なもの) | (デ大)第417号 | 平成27/10/01 |
精神科デイ・ケア(小規模なもの) | (デ小)第414号 | 平成29/5/01 |
精神科ショート・ケア(大規模なもの) | (ショ大)第9号 | 平成27/10/01 |
精神科ショート・ケア(小規模なもの) | (ショ小)第12号 | 平成29/05/01 |
抗精神病特定薬剤治療指導管理料 (治療抵抗性統合失調症治療指導管理料に限る) |
(抗治療)第3号 | 平成29/6/01 |
精神科退院時共同指導料1・2 | (精退共)第2号 | 令和2/04/01 |
療養生活環境整備指導加算 | (療活環)第1号 | 令和2/04/01 |
こころの連携指導料(Ⅱ) | (こ連指Ⅱ)第6号 | 令和4/04/01 | 療養生活継続支援加算 | (療活継)第5号 | 令和4/04/01 |
【その他】 | ||
入院時食事療養(Ⅰ)入院時生活療養(Ⅰ) | (食)第197号 | 昭和59/05/01 |